2011年1月12日水曜日

これからの「正義」の話をしよう


お正月に偶然テレビで見た『ハーバード白熱教室に感動しました。
ハーバード大学史上最多の履修生数をほこる超人気哲学講義だそうで、なるほど感心するくらいの内容の濃さでした。
そしてその講義のベースとなっている本がこの『これからの「正義」の話をしよう』です。

内容は以下の通り。(「BOOK」データベースより)

1人を殺せば5人が助かる状況があったとしたら、あなたはその1人を殺すべきか?
金持ちに高い税金を課し、貧しい人びとに再分配するのは公正なことだろうか?
前の世代が犯した過ちについて、私たちに償いの義務はあるのだろうか――。
つまるところこれらは、「正義」をめぐる哲学の問題なのだ。
社会に生きるうえで私たちが直面する、正解のない、にもかかわらず決断をせまられる問題である。
哲学は、机上の空論では断じてない。
金融危機、経済格差、テロ、戦後補償といった、現代世界を覆う無数の困難の奥には、つねにこうした哲学・倫理の問題が潜んでいる。
この問題に向き合うことなしには、よい社会をつくり、そこで生きることはできない。
アリストテレス、ロック、カント、ベンサム、ミル、ロールズ、そしてノージックといった古今の哲学者たちは、これらにどう取り組んだのだろう。
彼らの考えを吟味することで、見えてくるものがきっとあるはずだ。
ハーバード大学史上空前の履修者数を記録しつづける、超人気講義「Justice(正義)」をもとにした全米ベストセラー"Justice: What's the Right Thing to Do?"、待望の邦訳。

正直言って文句なく面白い。
ひと言でいえば、「社会に生きるうえで私たちが直面する、正解のない、にもかかわらず決断をせまられる問題」について掘り下げて考えることを求める本です。
確かに正解が簡単に見つけ出せるような世界に私たちは生きてはいない。
それぞれの主張者それぞれに主義主張はあり、そのこと自体に絶対的な回答はあり得ない。
しかし、自分なりに考え続け、問いかけ続ける姿勢をなくした人に誠意がある生き方をしているとは誰も言わないのではないだろうか?
毎日、寝る前に1テーマづつ読んでいました。