2011年1月6日木曜日

世界同時不況がすでに始っている!


世界同時不況がすでに始っている! [新書] 榊原英資 (著)

「ミスター円」と呼ばれた元大蔵財務次官。
「超マクロ展望 世界経済の真実」と並んで、グッと来ました。
読みやすくし過ぎと言うくらいに読みやすい。実際2時間で読めてしまいます。

【概要:ブックデータベースより】
「私たちは、今までの経済理論では説明のつかない、400年に一度の大転換期に直面しているのだ!」
私は、アメリカでかつてない長期の大不況が始ったと考えています。
この大不況は、ヨーロッパや日本経済にも深刻な影響を及ぼし始めています。
だから「世界同時不況」が始ったと見るべきだ、というのが私の認識です。

確かに世界金融危機で各国の経済は大きく落ち込んだものの、
懸念されていた1929年の世界大恐慌のような大破局はなかった。
だから、世界経済はゆっくり回復しつつある、と思うかもしれません。
しかし、一時的に上向いたり下向いたりする小状況を含む、世界同時不況という大状況が始ったと考えるべきです。
これが続く期間は、少なくとも10年よりさらに長いでしょう。

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「超マクロ展望 世界経済の真実」よりは、少しは楽観的に書かれていますが、本質的には同じです。
そんな中で、今後の日本が歩むべき方向性は?というと、中国やインドと同じような土俵で戦うことはコスト的に出来ないし、アメリカのような金融経済を目指すことも構造的・本質的に出来ない。
日本の製造業は世界(中国やインドなど)を拠点に製品を作り、そこで雇用を生み、製品を売る。
当然、国内には雇用は生まれない。格差が拡大する。
・・・であれば、日本の将来は、付加価値の高い製品やサービスを生み出せるかどうかにかかっている。
コレが結論。
当たり前といえば当たり前だが、これだけの気概を持って生き抜く覚悟が日本人に残されているか?
期待したい。