2008年6月22日日曜日

藤沢周平 「蝉しぐれ」

藤沢周平の「蝉しぐれ」を読みました。この作品は何年か前に映画化されたそうですが、さすがに藤沢文学の金字塔と言われるだけあって、密度の濃い傑作でした。
手にしてから一気に読み終えてしまえるストーリー展開のおもしろさと深みが味わえました。

10代のころからアメリカ文学にのめり込みましたが、初めてアーウィンショーなどを読んだ時に、「こんなに洒脱で深みのある小説は日本文学ではないよなあ」などと感じたものですが、どうしてどうして、日本ならではの繊細に奥ゆかしい機微に溢れた文体に感心しました。

忘れかけている日本人のメンタリティの素晴らしさを表現した作者の藤沢周平は昭和初期生まれの巨匠ですが、この世代の感性を継承出来る作家がもっともっと出て来て欲しいと願います。登場する男女は「日本的な礼儀」に重きを置く世界に生きていて、現代の価値観とは一線を画しています。しかし、上質のラブストーリーを描くには実はこれほどの物語の厚みとストーリー展開、的確な描写の分量と心理描写、表現力の高さが必要なのだとあらためて実感させてもらえる一冊です。
超一流の技というのは気持ちの良いものです。 まさにプロフェッショナルな作家の作品からしか味わえない読後感でした。

2008年6月19日木曜日

パットメセニーとアジャイルプラクティス

社内レポートでアジャイルプラクティスの中でパットメセニーが伝説化されているって言うことを知りました。多分、読み飛ばしていたんでしょう。
パットメセニーは私が最も尊敬するギタリストの1人です。今でこそ、 押しも押されもしないカリスマギタリストですが、デビュー当時はギターストラップに使いさしの歯ブラシを差し込んだ、ミーズリ出身の田舎っぽい兄ちゃんでした。もちろん、彼の作り出す新鮮でピュアなサウンドに若かった私は一発でノックアウトされましたが・・・。
少し自慢が入りますが、30年前に彼のグループが初来日した時、楽屋に忍び込み、開演前の15分くらい話したことがあります。彼が超ビッグになった今でこそウソのような話しですが、当時私が20歳だったと思います。
説教めいた話になりますが、若い時のバイタリティは人格形成における大切な要素だと思います。一見無謀なことでも、若いというだけで許されることも大いにあります。やりにくい事や実行困難なことだと思えても、やりたいう情熱とパッションで突き進めるハートを持ち続けたいです。例え「オヤジ」と言われようとも・・・です。
グラミー賞を獲得するような超メジャーアーチストになった今でも、私にとっての彼のベストアルバムはやはりファーストアルバムでしょう。
http://jp.youtube.com/watch?v=kHT9MjkFgBE
貴重な唄モノだとコレ↓が泣けます。This is not America これはアメリカじゃない!カルト系の間で9.11テロのアンチテーマです。
http://jp.youtube.com/watch?v=GRjivIBCHDc

2008年6月17日火曜日

パコ・デルシアとカディスの赤い星

「カディスの赤い星」(上下2巻)逢坂 剛
直木賞の受賞作で、読もう読もうと思いながら、なかなか手がのびなかったのですが、気楽にペロッと読める娯楽読みがしたくなり手にしました。予想通り、大衆娯楽小説としては良く出来た傑作です。充分楽しめました。

スペイン内戦時の秘密を軸に、日本とスペインを舞台に展開される、サスペンスにみちた国際冒険小説です。ストリーも良かったのですが、実名で登場する実在のNo1スーパーフラメンコギタリスト「パコ・デルシア」の音がどうしても聞きたくなってCDを買いました。

Mediterranean Sundance Friday Night in SanFrancisco

パコ・デルシア、アル・ディメオラ、ジョンマクラフリンの超絶技巧ギタリスト3人によるライブ盤。それぞれのアーチストのアルバムは、それぞれ数枚ずつ持っているのですが、この3人が行なうセッションの緊張感は半端じゃないです。
http://jp.youtube.com/watch?v=HEZrB_FDw4c

アル・ディメオラなら
アルゼンチンのタンゴの巨匠=アストロピアソラのナンバーをカバーしたこれもグッときます。
http://jp.youtube.com/watch?v=yhJbIN9FoVI

じゃあ、ジョンマクラフリンだと何だろう?
インド音楽に傾倒していたこの時代あたりでしょうか?(ちょっとオタク入り過ぎてますね)
http://jp.youtube.com/watch?v=3AzovMu-2LY&feature=related

しかし、これが来ると、(思いっきり外れますが、)
インド音楽シタールの巨匠ラヴィ・シャンカールは外せないでしょう。
http://jp.youtube.com/watch?v=4JjrWxun46M

また、パコ・デルシアに戻ると、フラメンコの情熱なら↓こんなところかな?
http://jp.youtube.com/watch?v=RYkz30RL_GU

こうやってみると、インドもアルゼンチンもスペインもワールドミュージックと言う観点で
偏見なく聴くと、ほぼ同じパッションを共有しているのが興味深いです。

2008年6月13日金曜日

「竜馬がゆく」・・・NHKの大河ドラマ 篤姫が気になった。



「女の道は一本道。 さだめに背き、引き返すは恥でございます。」のフレーズで宮崎あおいが演じる篤姫を時どき見てます。

あの、幕末から明治にかけての時代背景が気になりだして、ずっと昔に読んだ一連の司馬遼太郎のシリーズ3部作を読み返しています。

「竜馬がゆく」(全6巻) : 幕末あたりの勤皇の志士たちの物語り
「翔ぶが如く」(全10巻): 幕末から戊辰戦争~明治中期にかけて
「坂の上の雲」(全10巻):明治中期から昭和初期だったかな?日清戦争、日露戦争あたり



今は、「竜馬がゆく」を読み終えて、「翔ぶが如く」の第2巻目です。

「竜馬がゆく」のストーリーは、江戸幕府の硬直した社会制度に対して、多くの若者が立ち上がり、やがては300年続いた江戸幕府を倒すまでの過程を描いた歴史小説です。
時代背景として、黒船の渡来など、もはや先進国世界の流れの中で政治も経済も立ち行かなくなっていたという歴史的な必然性があったとしても、この物語の主人公たちは、ほとんど20代の若者です。坂本竜馬や西郷隆盛といった志を持った若者たちが、お年寄りの殿様たちが支配する封建的な組織の中でどのようにして志を貫いていったのか?この原動力は、純真な志を貫こうとする若さとバイタリティー以外の何者でもないです。こういった純真な志を持てる幸せな(複雑な価値基準がない)時代だったのかもしれませんね。
「坂本竜馬」の魅力と、幕末に生きた武士たちの日本を想う気持ちは、私達の忘れている何かを奮い起こしてくれると想います。 日本人としての誇りをもちつつ、そして自分の信義を貫きながら生きる人。また、信義を貫くために死を選ぶ人。 さまざまな局面でさまざまな登場人物が、さまざまな人生を歩んでいきながらも、「日本を想う」という想いは敵味方に分かれても変わらないものでした。
日本人同士が「志は同じ」ながらも、敵味方に分かれて戦うことになってしまった幕末という時代の悲劇を、他の世界(欧米、他アジアなど)になかった歴史だったということとも照らし合わせて、私達が同じ血を受け継いでいるということを再認識すべきだと思いました。


はじめに・・・

メディア情報開発株式会社 山田隆信 ブログ
多分、一番多くなりそうな話題は、

  • 今、読んでいる本とか雑誌の感想。 備忘録っぽくメモしておくつもりです。

移動する事が多いので、同時並行で3冊くらいを読みます。あまり、読むスピードは速くはないですが、文庫サイズで週に1冊くらいのペースです。それに加えて、行きの電車で新聞と、帰りの電車で業界の専門誌といった感じです。

ジャンルは、とても広いですが、かなり一般的なものが多いです。 社会情勢関係、現代アメリカ文学、日本の歴史物とかです。

  • 買ったCD/DVDの感想

これは1ヶ月平均で5枚は買います。1枚通して聴かない(聴けない)CDもかなりありますし、間違って同じものを買ってしまったものもかなりあります。ジャンルはかなり狭いですが、オタクっぽいものが多いかもしれません。どうしても新譜を中心に買ってしまいますが、古~いのも意外に買っています。

フュージョン系が中心です。(1000枚くらい持っています。) その他、バロック系とか、アメリカンロックとか、とにかくたくさん聴きます。

  • 個人的に参加しているコミュニティ関係

仕事とは全く無関係に参加しているコミュニティが2つあります。かなり、オタクですが、怪しい集まりではありません。

その他は、月に2~3回くらい行くサーフィンの話題くらいです。そのくらいの話題の中で、少しずつ思っていることや感じたことをメモして行こうと思います。