2011年1月6日木曜日

年末年始の読書


この年末年始は、ゆっくりする時間が過ごせたので6冊の経済本を買い込んでゆっくりと読んでみました。
本当は、小説や、もっと趣味的な色合いの強いモノを読みたいと言うのが本音なんですが、この厳しい経済環境のなかを生き抜いていく為には、どうしても今の日本経済の位置付けを自分なりに整理する必要がありました。

出来るだけ意見の異なるエコノミストを総合的に選んだつもりでしたが、自分を取りまく状況や、見聞きした状況を客観的に重ね合わせると、2冊の本に深く共鳴しました。
そしてこの2冊は同じ方向性を強く示唆するモノでした。

■超マクロ展望 世界経済の真実[新書]水野 和夫 (著), 萱野 稔人 (著)
■世界同時不況がすでに始っている! [新書] 榊原英資 (著)

どちらも著名なお二方です。
しかし、テレビや雑誌、ネットを含めたなどのマスコミでは、全く違う意見のエコノミストも数多くいます。


まず、最も共感した1冊をご紹介します。
超マクロ展望 世界経済の真実 (集英社新書) [新書]
水野 和夫 (著), 萱野 稔人 (著)

【概要】
現在の世界経済危機を単なる景気循環の問題としてとらえるならば、この先を読むことはできない。
むしろ、資本主義そのものの大転換、四百年に一度の歴史の峠に我々が立っていることを認識してこそ、経済の大潮流が見えてくる。
資本主義の歴史的な構造変化を大胆に描いてきた異色のエコノミストと国家への深い洞察にもとづいて理論的考察をくりひろげる哲学者が、経済学者には見えない世界経済の本質を描く意欲的な対論。

・・・で、一体何を言っているかをひと言で言うと以下の通りです。
スペイン、ヴェネチア、オランダ、イギリス、米国と、常に経済拡大を志向した資本主義だが、グローバル化の進展により、もう、我々には十分な搾取のフロンティアが無くなってしまった。
搾取する側とされる側のバランスからみて、世界経済の恩恵を受ける人の定員は、世界人口の15%しかない。
既存の資本主義では行き詰まるのは明らかだ。
100年に1度の危機どころか、「長い16世紀」の終焉以来の大きな資本主義時代の変革点が来ている。
今後の10から20年は、一時的に中国が覇権を握るが、しかし、中国やインドも十分な成長を遂げる訳ではなく、その後没落する。


そういった結論に至る過程を積み重ねて説明しているのが本書です。
一読の価値大いにありです。
世界経済が総崩れになる前に読んでおくと心の準備が出来ていいかも。