2010年1月23日土曜日

今ひとつピンと来ないハイチ孤児の養子報道

多数の死者が出ているハイチ大地震で、親や家族を失った孤児たちを引き取る「養子縁組」を求める欧米先進諸国の動きが活発になっているらしい。
テレビのニュースなんかでは、子供たちがハイチを出て欧米の空港に到着・対面するシーンがかなり流されていたけど、明日の生活がどうなるかもわからない孤児たちが先進国に引き取られるのは幸せ、と主張しているそうです。
そんな中でちょっと変なニュースもありました。
「約束が違うじゃないか。あと1時間だけ待つ。それまでに誰でもいいから子供たちを連れてこい」と喚く男性の姿を写していました。
その男性は、養子縁組の斡旋のためにコロラド州からプライベート・ジェット機で現地入りしたものの孤児院と交渉した結果、子供5人を引き取ることで話がまとまったのにもかかわらず、空港で待機していたところ、子供たちは決心が鈍ったのか、時間になっても現れなかったそうです。
空港は緊急援助の飛行機で大混雑しており、男性のプライベート・ジェット機は退去を命じられ、焦った男性は「この際、米国に行きたいという子供ならだれでもいいから連れてこい」と、乱暴さはエスカレートする一方だったという報道です。

個人的にはハイチの難民孤児をこの際養子に引き取るというのはまだ許容範囲なんですが、
いわゆる欧米富裕層の養子に対しての考え方が、仏教徒の日本人の感覚とかなり違うという気がしてならない。
白人富裕層は黒人の子供を養子にしたがり、黒人は白人を養子にしたがる。これは一体何だろう?
例えば、貧しい子供達のホストファミリーとなって、大学を卒業するまで面倒をみましょう!というのなら話は分る。

しかし、「なんて可愛そうな子供たちでしょう。今日から私達が父親・母親ですよ!」って・・・そういうものなんでしょうか?
そもそも、邪悪な搾取ビジネスモデルで大儲けした莫大な富を背景に、「神様、私の罪をお許し下さい、そのかわり献金や何々で罪滅ぼしさせて頂きます。」的な、いわゆる「ノブレス・オブリージュ」的な自己中心の考え方そのものが許しがたい。
・・・と、何ともおかしな感覚に陥ったニュース報道でした。