2009年1月10日土曜日

世界と日本経済30のデタラメ (幻冬舎新書) (新書)


世界と日本経済30のデタラメ (幻冬舎新書) (新書)
東谷 暁 (著)
かなりしっかりした内容です。
著者はフリーのジャーナリストで事実を緻密に検証した分析には定評があるそうですが、耳障りの良い簡単なメッセージにすんなりと納得してしまうこと自体が大問題だと言っています。
ただでさえ複雑な事象が絡み合っている世界経済において、多少難解な分析であっても、キチンと納得のいく理解をしていないと、デタラメに振り回されてしまうとの警鐘には大賛成です。

内容は以下の通り。
未曾有の危機に陥った世界経済。元凶は、ヒト・モノ・カネの歯止めなき自由化で世界を投機市場に変えた、経済のグローバル化であるのは明らかだ。
にもかかわらず、わが国のエコノミストや政治家は「サブプライム問題は決定的な原因ではない」「日本はまだまだ構造改革を進めるべきだ」「もっと公共投資を削り、公務員を減らし、民営化を進めるべきだ」などのデタラメを垂れ流す。

こういった30のデタラメに対して、緻密なデータ分析とロジックで徹底論破しています。
マスコミの流すニュースの背景に本当はもう少し深く考ええなければならないことがたくさんあることを気づかせてくれました。