2008年7月19日土曜日

「アジアで最も豊かな国」から転落した日本・・・どう思う?

大前研一:「アジアで最も豊かな国」から転落した日本

IMF(国際通貨基金)がまとめた調査によると、
2007年のシンガポールの一人あたりのGDP(国内総生産)が日本を抜くことが明らかになったそうです。
世界で見れば1994年には一人あたりGDPで日本は世界一で、
一昨年に17位に、そしてついに昨年の実績で22位に転落ということのようです。
もちろん為替の影響もあるので単純に言うことは出来ないです。
ただ、GDPの総額ではまだまだ日本は米国に次いで世界第2位の経済大国ですが、
これも、今のペースでいけば日本がGDP総額で中国に抜かれるのは3年後(2010年の数値)だそうです。

日本では、このことはほとんどニュースにもなっていないし、危機感がまるでないように思います。
政府の方も都合が悪いのであえて危機感をあおることはしたくないのかも知れません。
国別のGDP総額というのではなく、やはり一人あたりのGDPというのが、
その国の豊かさの指標だと思えるのですが、一概にそうでもないのかなあ?と思うのは、 例えば中国は、一人当たりのGDPは非常に低いのですが、人口が多い分、国としては当然上位に来ます。
でも、よくよく考えてみると、日本では社長も平社員も給与の差は非常に小さいけど、
例えば中国のように、搾取階級と被搾取階級(労働者階級)が明確に分かれていると一人当たりのGDPは低くても、果実を受け取る人達の数が少ない。
この構図はアメリカなどでも言えると思います。

その意味で、北欧諸国はかなりフラットな階級構成であると同時に一人当たりのGDPも非常に高く、
そしてその位置を長期間にわたって維持しているので、
幸せな国として成熟しているのがよく理解出来ます。
ご参考までに、「国の国内総生産順リスト - Wikipedia」を見ると結構楽しめます。

「付加価値の高い技術がある。」⇒「国民一人一人の生産性が向上する。」⇒
「GDPが高くなり、企業も儲かる。」⇒「個人の収入が増える&国家の税収が増える」⇒ 「個人も豊かになり、国家の社会サービスも拡大する。」
・・・というバラ色のスパイラルが理想ですが、
このスパイラルの中に腐敗したお役人仕事の比重が重かったり、
既得権ビジネスの比重が重かったりすると、
たちまち色あせたスパイラルになることはかなり容易に想像できます。

昔、「幸せ指数?」とかいったものがあったのを記憶しています。
結論として、現代社会では自動車も普及し、家電製品も充実し、
ライフラインなどの社会的なインフラも拡充されたにもかかわらず、
殆ど映画「Always三丁目の夕日?」のころの「幸せ度」と変わらないか、
むしろ落ちていると言う結果だったと思います。

便利なものを手に入れた代償として、
「豊かな自然(海や空や川・・・)」「人間同士の心の絆」・・・もっと言えば、
「朝日と共に目覚め、夕日と共に仕事を終えるといった純粋な仕事の喜び」
と言ったものを失くして来たのかも知れません。

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