2008年7月7日月曜日

洞爺湖サミットは、まるで「梁山泊」?水滸伝/梁山泊と洞爺湖サミット



「水滸伝(全19巻)/北方謙三」


宋の時代の中国を舞台にした冒険活劇の古典です。「梁山泊」という名前に聞き覚えがある方も多いと思いますが、それは実はこの水滸伝に出てくる好漢たちが集まってくる砦の事です。

この「梁山泊」というのが、今日から開催されている洞爺湖サミットの舞台となっている洞爺湖の中にぽっかりと浮かぶ「中島?」のイメージにそっくりで、

どうしても、洞爺湖サミットとこの水滸伝のイメージが錯綜してしまうのですが、梁山泊の方は、反政府のテロリストが集まる砦で、

洞爺湖サミットの中島の方は、世界の体制側指導者が集まっているという構図が何とも皮肉で面白いです。
ストーリーをすごく平たく言うと、政府の腐敗を憂いた有志が梁山湖畔に集い、

そこで私設の軍を結成し、宋という国と戦うと言うストーリーです。

壮絶な戦いの末に結局最後は敗れてしまうのですが、そこに登場する101名?のリーダーたちの生き様が主題です。

「三国志(全13巻)」に続いて北方謙三が手がけた中国歴史小説ですが、三国志の方は、吉川英治の三国志と比較すると圧倒的に読み劣りしました。

しかし、この「水滸伝」を読んでしまうと、三国志の方は水滸伝を完成させる為の習作だったんんだなあと思いました。
全19巻あるのですが、最初は単行本としてハードカバーで全部リリースされ、面白い面白いという評判は聞いていたのですが、読もうとも思わなかったですし、ましてや当然のことながら(ハードカバー全19巻は高価になるので)買おうとも思いませんでした。

しかし、去年の夏頃?に、文庫本化されて、最初の10巻が一気に発売され、その後は1ヶ月に1巻ずつ順次リリースされるという巧みなマーケティング術にすっかりはまってしまいました。

と言うのも、最初に第1巻だけ買って読んでみたのですが、これがまるで「インディージョーンズ」を見ているような、男たちの死に方をテーマにした一大スペクタクルで、

その後の10巻までを一気に読んでしまいました。その後、毎月1冊ずつリリースされるのが心待ちになるほど、面白かったです。

やっと、2ヶ月前にに最後を読み終えましたが、今はその続編の楊令伝のハードカバーを読み始めました。こちらの方は水滸伝の続編ではありますが、古典としての水滸伝のストーリーを北方謙三が発展させた内容になっています。


例えば映画「インディージョーンズ」は、映画の芸術性の観点で高く評価されることは皆無だということにかかわらず、エンタテイメント性においては理屈ぬきに無条件に楽しめる作品であることに異を唱える人はないと思います。

それと同様にこの水滸伝は、はっきり言って、歴史の勉強になる訳ではなく、文学的に素晴らしいと言う訳でもないのですが、とにかく読み出すと止まらない面白さがありました。


さて、洞爺湖サミットですが、今回のサミットのテーマは、かねてから二酸化炭素(CO2)の削減、つまり地球環境問題だといわれていましたが、結論から言えば、地球環境問題よりも大きなテーマが出てきている状態だと思えます。

それは、物価高騰問題です。

将来的な崇高な理念目標よりも、まずは目先のガソリンや食料品の高騰をなんとかせい!ということかもしれません。

サミット宣言案は、原油・食料高の影響で「世界経済は不確実性と下ぶれリスクに直面している」と指摘し、「強い懸念」を表明しています。


梁山泊のリーダー達のような、人間的な魅力に溢れて突進力のある政治家はいつになったら出て来るんだろう?

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