2008年11月8日土曜日

ついに選ばれたアフリカ系アメリカ人の大統領  大勝の報道にどうも違和感!

私とほぼ同年代のバラク・オバマ氏が大統領になることが決まり歴史的大勝利ということで日本国内でも大きな盛り上がりを見せています・・が、私はどうも違和感を感じているし、マスコミや評論家の間でも、どうしてもっと客観的なコメントが無いのかがかなり不思議です。

これって本当に「地すべり的大勝利」といえるのか?
確かに結果としての選挙人獲得人数はほぼダブルスコアの大勝利と言えると思う。
しかし、実際に獲得した投票数は、オバマ氏が53%でマケイン氏が46%なので、その差は大勝利とは程遠かったのではないだろうか?
アメリカ合衆国は、東海岸や南部など特に有色人種に対する差別が根本的に根強い。自由な国アメリカとは言えそれはあくまでも建前のことであって、本質的には強い選民意識があると思う。

私の経験から言っても、会社のオフィスを構えていたシリコンバレーなど、歴史的に東洋人やインド人が多いカリフォルニアやロサンゼルスなどの西海岸で差別を感じたことは無いですが、ボストンなどの東海岸では掃除のおばちゃんにまで馬鹿にされてしまう。
こんな国で本当に黒人の大統領が大勝利で生まれるはずが無い!といまだに思います。
今回の選挙で白人が本質的にオバマ氏を選出したと言うこととは程遠いと思う。

今の合衆国の人種構成は、中南米系やアジア系移民の流入で、白人の人口比率は65%程度になっているらしい。
安価な労働力としてアフリカから奴隷船に乗せてつれてこられたアフリカ人に、今や大統領として国を乗っ取られた状況をなぜ白人が許したか?
大勝利ではないにせよ、なぜオバマ氏は白人票をこれだけ取り込めたのか?

確かに、オバマ氏勝利の背景には、公民権運動による制度的な差別撤廃や黒人の社会進出があると思いますが、よく言われているように、父親はケニア人ですが、母親は白人中流階級に育った生粋の米国人なので、黒人隔離政策や絶望的な貧困など、米黒人が背負う歴史的な重荷とは無縁だし、インドネシア、ハワイで子ども時代を過ごし、多様な環境で育った点でも、従来の黒人政治家とは異質だという点で白人票を取り込めたのかもしれません。

しかし、最大の要因は「金融バブルの崩壊」だったと多くの政治家が指摘しています。もしバブルの崩壊が3ヶ月後だったら・・・おそらくマケイン氏が勝利していただろう・・・と。
結局のところ、一部の金持ちが異常な利益を手にして米国のみならず世界中の経済に大打撃を与えている状況は、下層階級はもちろん中流階級の一般白人までもを巻き込んだのでしょう。
人種の垣根を超えた「反ブッシュ」の勢いだったとも言えるのかもしれません。
しかし、世界経済を動かしているのは米国の中流以上の白人です。就任以降、彼らの信任を継続させることはオバマ氏にとって至難の業でしょう。

それにしても、オバマ氏のあの演説! マスコミは絶賛していますが、日本人的な感性からすると引いてしまうのは僕だけでしょうか?
そして、あのようなパフォーマンスで熱狂を表現するアメリカ国民の単一思考性というか脳天気さ! 
君たちの単純思考のおかげで迷惑をこうむっている人達が世界中にたくさんいることを少しは反省して欲しい。

以上、あくまでも個人的な意見です。