2010年3月12日金曜日

世界は分けてもわからない (講談社現代新書) (新書)



世界は分けてもわからない (講談社現代新書) (新書)

福岡 伸一 (著)




内容紹介
60万部のベストセラー『生物と無生物のあいだ』続編が登場!
生命は、ミクロな「部品」の集合体なのか? 私たちが無意識に陥る思考の罠に切り込み、
新たな科学の見方を示す。 美しい文章で、いま読書界がもっとも注目する福岡ハカセ、待望の新刊。
微鏡をのぞいても生命の本質は見えてこない!?科学者たちはなぜ見誤るのか?
世界最小の島・ランゲルハンス島から、ヴェネツィアの水路、そして、ニューヨーク州イサカへ―「治すすべのない病」をたどる。



個人的に、昨年のマイベストだった『生物と無生物のあいだ』の続編。
かなり期待して読んだ。前作ほどではないにしても、かなり納得の内容でした。
特に、以前から気になっていたキーワードの『Powers of Ten』が紹介されています。
『Powers of Ten』というのは、簡単に言うと、5分ほどの私作の映画のことで、
ニューヨーク、セントラルパークに寝転んで日光浴をしている白人ファミリーを起点にして、
そのお父さんの姿を見る視点が、だんだんと遠ざかり、ニューヨーク⇒北米⇒アメリカ⇒地球⇒太陽系⇒銀河系⇒ と遠ざかる。
今後は逆に、同じ縮尺率で、肌⇒毛穴⇒細胞⇒DNA⇒分子⇒原子⇒量子⇒ とミクロの世界に突入する。

つまり、人間を起点にして、大宇宙の広がりと同じ縮尺の割合でミクロに目を向けると、そこにも大宇宙と同じ広がりが存在している。
このことを、「外はあまりに広く、内はあまりに深い。」という、哲学者・思想家の鈴木大拙の言葉で言い表す。


ご参考までに、この『Powers of Ten』のYoutubeをご紹介します。
http://www.youtube.com/watch?v=wTwvkGjsNEY


私は今、この思想にはまってます。
政治的な問題点などの現実問題を考えることと、ある意味で対極にあるのかもしれない。