2008年12月7日日曜日

『IT産業 再生の針路』 破壊的イノベーションの時代へ

『IT産業 再生の針路』 破壊的イノベーションの時代へ

【IT産業 崩壊の危機・続編】 田中克己(日経BP社編集委員) 日経ソリューションビジネス (単行本 - 2008/12/4)

「絶対面白いから」という推薦があったので読んでみました。2007年12月に発行して大反響を巻き起こした「IT産業 崩壊の危機」の続編で発売したてホヤホヤの新刊です。
著者は日経コンピュータ副編集長、日経ウォッチャーIBM版編集長、日経システムプロバイダ(現日経ソリューションビジネス)編集長などを経て、30年近くIT産業の動向をウォッチし続けている人なので立ち位置的にも今、取組んでいるビジネス分野と一致しているのと、同業他社の具体的な名前と、曖昧だけどある意味で具体的な方向性を挙げながら説明しているので説得力がある内容でした。

IT業界に携わる人に向けて、新しい時代を予見する「究極の1冊」というふれ込みです。グローバル化、クラウドコンピューティングの時代を迎え、富士通やNEC、日立はどう動くのか?NTTデータや野村総研の次の一手は?中小ソフト開発会社の生き残り策とは?といったテーマでぐいぐいと切り込んでいっています。
日本のIT産業を取り巻く状況と問題点を明らかにしながら進むべき道を提案する形で展開されて、旧態依然のビジネスモデルからIT産業が抜け出すための具体策を提言しています。
期待したほどの内容ではなかったのは仕方ないなあと言う気はします。
最近、この手の「今後のITの方向性」といったような内容の雑誌記事とか書籍とかをかなり読んでいるのですが、ズバッと「これだ!」的な答えなんかはある訳はないし、期待する方も悪いと思って反省です。

以下が目次ですが、これを見ればどういった内容なのかが大体分かると思います。

【目次】序章 21世紀の新IT産業とは-サービス時代に成長する企業、沈む企業-
第1章 IT産業を取り巻く現実-技術軽視のITベンダー、IT軽視のユーザー企業-
第2章 事業再編に乗り出す大手ITベンダー-グローバルに通用する商品を作り出せ-
第3章 ITサービス大手が取り組む改革-カギは新規ビジネスの創造にあり-
第4章 変革迫られるソフト開発会社-下請けからの脱却へ-
第5章 中堅・中小ソフト開発会社を取り巻く環境-ビジネスモデルを見直し、攻めの姿勢を-
第6章 IT活用の責任はユーザー企業にある-自立したIT部門が経営者を支える-
第7章 技術力の低下で人材育成が急務に-新たな環境作りが求められる-
第8章 IT産業が構造改革に着手する日-技術と経営を刷新し、新しいITサービスを創出-