2009年6月13日土曜日

鳩山辞任と今の政治家の大変さ


鳩山(弟)が辞任した。
昨日の夕方の出来事であるにもかかわらず、様々なニュースが面白おかしくマスコミによって報道されていますが、何が正しくて何が真実なのか?といった単純な問題ではない上に、殆どの政治家の行動は表面的な発言内容とは無関係だろうと容易に推測出来ます。

簡単に言ってしまうと、「郵政民営化=改革路線」の西川社長であっても、「国民の皆様のための民営化」という抽象的な幻想のために運営しているのではなく、営利を追求する為に行動している訳で、
一方の鳩山(弟)にしても、「正義を貫く為」に政治的な行動を起こしているわけではないことをはっきりを理解しておく必要があると思う。
うがった見方をすれば、行く末が見えている自民党に対して、正義を貫くと言う大義名分の下に勇ましく立ち回ることの方が遥かに多くのメリットと選択肢を持つことが出来るだろう。

誰がどう言おうと少なくとも現状の政治家とはそんなものだ。
ただ、政治家は政治家で大変な時代に入ってきていることも事実で、鳩山辞任とは全く無関係なおもしろい新聞記事がありました。

以下、要約します。
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政治と経済は不可分なので、経済を見る上で政治は無視できない。
そうであるからこそ、偉大な宰相が出てきて日本を引っ張っていって欲しいが、現実はなかなか難しそうだ。
ではなぜこんなに政治はこんなに難しいのだろうか?そこで、現代の政治をめぐる権力の強さと弱さを整理すると2つの見方に分かれるということが見えてくる。

第一は、議会制民主主義の現代では、有権者や世論の監視の下で権力が弱体化しているという見方。
これはどういうことかと言うと、政治家が起こしたアクションそのものが常に有権者によって監視されているので、(色々な人が色々な視点や考え方を持っている中で、)どうでも良さそうな些細なことでも、際限なくバッシングされる傾向が強まっており、大胆な発想で大胆な行動がなかなかおこせない。また、その声を効果的に代弁する各種のマスメディアを通じて強まるという特性を持っている。

第二は、民主主義体制であるにもかかわらず、技術革新や行政の肥大化など様々な要因によって、いや応無しに権力強大化が進んでいくと言う見方。
これに関しては第一の問題とは逆に、例えば官僚国家的な視点に立つと民主主義ではありながらも、強大な行政組織が構築されていて、政治家が行使できる権力が巨大化している。

この異なる2つの見方の存在は、現代政治の難しさを示している。政治権力が弱体化と巨大化という全く矛盾した2つの方向性を持ってしまった点こそその難しさがある。
現代の優れた政治とはこの2つの相矛盾する状況に対応する能力があることを意味している。
これからの政治家は、弱いイメージをまとって正当性を持つ面と、強い力を行使して正当性を持つ面との両面を的確に見極めて使い分ける知的習慣を身につけなければならない。
この時代ほど政治を職業とする人々にとってやりにくい時代はないだろう。政治家が消耗品になりかけているのである。


以上が主旨ですが、一見すると何やら小難しい内容なのですが、簡単に言ってしまうと、一般市民が口うるさくなってきたし、マスコミまで含めると、とことん監視されていて、ホンのちょっとしたことですぐ足元をすくわれる。
逆に、官僚は大きな権力を持っていて、それを使いこなすのも政治家の大きな役目なので、これもまた荷が重い。あたまの良いお役人さんは“ああ言えば、こう言う”タイプの典型なので、コントロールするのはホントに大変だと思います。
だから現代の政治家って本当にしんどいよね?っていう記事でした。

結局のところこういった見方は政治家に留まらず、かなり多くの人達が抱える問題のような気にもなってきています。