2009年12月25日金曜日

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書) (新書)

先日出会ったCAD会社の社長さんがご自身のメールの署名に「"社長"の絵日記というブログを公開してます」と書いているのを見て、やっぱりブログ再開せなあかんな!・・・・・と。

ただ、あまり公にプライベートを語るのはやっぱり性に合わないので、以前のままで。



で、さっそく、以前少しだけ読んでいて、続きを先日読み終えた本です。第一回科学ジャーナリスト賞受賞とか、サントリーの何とか賞とかとっています。結構評価されている本です。


生命とは何か。 何が生物と無生物を分けるのか。 この本には、これらの問いに対して、分子生物学者としての著者の意見が書かれていますが、単に分子生物学的な観点だけではなく、著者の科学者としての回顧録的な内容を同時に盛り込んだ上に、文章表現も文学的に練り直しているところが、ブックカバーにもあるとおり「極上の科学ミステリー」になっています。

結果的にもっと科学的内容を突き詰めて読みたい読者には不評で、逆に僕のような素人読者にとっては本当に面白いと思えてしまうところが賛否の評価が分かれる理由だと思いました。


さて内容ですが、 大いなる時間の流れの中で、エントロピーの増大に抗うように秩序を形作ること、それこそが生物を生物たらしめ、そのダイナミズムの中に生命の息吹を見る。

これが、本書における著者の答えです。
人体を構成するすべての分子は流動的で、食事をしたそばから新たな分子と入れ替わっていっていて、数ヶ月間会っていない友人に再会した時、そのすべての分子は前に会ったときとは別のものへと置き換わっている。

つまり、分子生物学的には、彼は”別人”という事になるといった表現は素人読者にはタマらん!
事実は小説よりも美しい。 生命の縁に立ち、ミクロの世界で巻き起こる事実を目の当たりにすることは、感動以外の何物でもないと思うし、生きるとは何かを考え直すきっかけを作ってくれるような内容になっています。


この本を読んでいる時に同時に「NHK/BS」で「世紀の難問、リーマン関数に挑んだ数学者たち」という番組が放映されていました。

この番組の主題は、純粋に数学的な問題とされている素数の配置についても、宇宙の原理原則と密接に結びついたある種の法則に則っていて、その法則は生物の誕生や営みにも本質的に関係しているという内容でした。

これに関してもは別途違う本を読んでみたいなあと思っています。